(補遺 I. パソコン上でのフランス語とフランス語関連ソフト (Windows95/98 日本語版の場合)



1.フランス語入力


 Windows 日本語版でのフランス語入力についての新しく有益な情報は、大久保正憲 さんによる 「キー配列図」[http://www.hu.it-chiba.ac.jp/] 、あるいは岡田真知夫 さんによる「キーボード・入力モード・キー配列」[http://homepage2.nifty.com/okadamac/keylayout.html] を参照されたい。また、やや古くなったが、三上吉彦 さんによる「Windows 95でのフランス語・ロシア語処理」[http://www.threeweb.ad.jp/logos/mlweb/win32fr4.html] もある。(2002.12.27)


 Windows95 日本語版 [Windows98 日本語版の場合も同様] でフランス語を入力するためには、まず「コントロールパネル」--> 「キーボード」と進み、「キーボード・プロパティ」の「言語」パネルでフランス語 (カナダ、標準など) を「追加」 (追加インストール) する。この際、「タスクバー上に状態を表示」をチエックしておく。パソコン画面下端の「タスクバー」の右方に (他のアイコンに混じって) 「言語アイコン」が表示されるので、これをクリック操作すれば、日本語変換システムとフランス語入力との切り換えができることになる。ここで「フランス語」を選択すると、キーボードがフランス語対応キーボード [フランス語 (標準) 、フランス語 (カナダ) など] として使えるようになり、アクサン付きのフランス語の入力が可能になる。エディタやワープロソフトでフォントを欧文用のものに指定して入力すればよい。

 フランス語関係では、どのキーボードタイプでも「単なる打鍵 (ストローク) 」、「シフト・キーを押しながらの打鍵」の他に、「右側の "Alt"キーを押しながらの打鍵」によって各種の文字や記号を入力できる。はじめにそれぞれの配列で各キーについて単なる打鍵、シフト操作による打鍵、 "Alt"キー操作による打鍵でどのような文字や記号の入力ができるかを確認し、使いやすいキー配列を選べばよい。

 「フランス語 (カナダ) 」のキーボードタイプは、QWERTY配列なので便利であり、かつフランス語の綴字記号が付いた文字 (いわゆる特殊文字) なども入力しやすく配慮されている。具体的には例えば次のようになる (以下、左側は日本語対応キーボードでのキー上の表記) 。
/  ---> e accent aigu
: + e (a)  ---> e (a) accent grave
@ + e (i)  ---> e (i) accent circonflexe
[ + c  ---> c cedille
このように、e accent aigu はシフト操作なしの一打鍵でよい (このキーをシフトさせて打つと大文字の E accent aiguとなる) 。その他は記号部分と文字の二打鍵となるが、accent grave, accent circonflexe, cedille などはそれだけ別に入力するため、大文字と組み合わせることもできる。また、いろいろな記号なども実際にキーを打ってみて確認していただきたい (たとえば、" < "  ---> " ' " となる) 。ただし、なぜかバック・スラッシュは表示できないようで、これを表示するためには、欧文フォントの状態で、日本語入力を解除した直接入力で「 \」キーを押して入力するなどする。

 "WordPad日本語版" (Windows95(98) 付属のワープロ) や "MS-Word 日本語版" といったワープロでは、欧文フォントとの組み合わせでこのフランス語入力機能が使え、日仏混交文も可能となる。「秀丸エディタ」などのエディタでも欧文フォントでこの機能が使えるが、エディタの場合には日本語との両立はできない。今後、表計算などの日本語対応ソフトも含めて、ソフトの側の対応によってWindows95(98) 日本語版でのフランス語環境がさらに改善されてゆくことを期待したい。



2.WWW 上のフランス語/フランス語電子テキスト

[WWW 上のフランス語の文章を利用する場合]
 WWW 上のフランス語の文章を利用したい場合はどうするか。Windows95 上のブラウザで ISO 8859 Latin1(あるいはWindows1252) のコードで正しく表示させたフランス語は、ブラウザ上で「コピー」を行った後、欧文フォントに設定したエディタに「貼り付け(ペースト)」すると正しく表示させることができる。


 この点は、その後そのままは当てはまらなくなっている。筆者の確認した範囲では、Windows98 上の Internet Explorer(5.0) で表示されているフランス語は、欧文フォントのエディタに「貼り付け」ると、アクサン記号が脱落してしまう。Windows98 上の Netscape Navigator(4.7)からは、フランス語を正しくアクサン記号付きで「貼り付け」ることができる。 [2000年 7月19日]


 ワープロでもWordPad (Windows95日本語版に標準添付) ならば欧文フォントの状態で「貼り付け」が行える。貼り付けを行った後で欧文フォントに切り換えてもよい (この場合WordPad では範囲を選択してからフォントを変更する) 。MS-Word95(97) 日本語版の場合は、直接に貼り付けたのでは文字化けするが、WordPad 上に移した文面をさらに Word95(97)に貼り付ければ、文字化けなしに最終的に Word95(97)に移すことができる (Word95(97)では、あらかじめ日、英、特殊文字用のフォントを登録しておけば、貼り付けのためのフォントの設定は必要ない) 。

 以上見たソフトでは、上のようにしてフランス語を表示させた後で、Windows95 のフランス語入力機能 (前項参照) を使ってさらにフランス語を書き込むことができる。
 次に、日本語との両立についてだが、エディタ上では、表示したフランス語と日本語との両立はできない。一方、WordPad ならばフランス語を正しく表示した上で、日本語との混在も可能である。Word95(97)上でも正しくフランス語を表示できたら、日本語との混在が可能になる。日仏混交文を Word95(97) とWordPad で相互にコピー/ペーストすることもできる。


 [Windows98 日本語版の場合 (WWW)]
 Windows98 になって、上に述べたようなISO 8859 Latin1 コードで表示されたフランス語の文章を WordPadへ「貼り付け」た場合、欧文フォントにしても文字化けが解消できなくなってしまった。MS-Word97日本語版あるいはMS-Word2000日本語版への「貼り付け」でも、WordPad を経由するしないにかかわらず、文字化けが解消しなくなった。フランス語の利用という点で後退してしまったことになる。ただし、次項 [ファイルとして入手したフランス語テキストを利用する場合] でWindows95 に関して紹介した方法を応用すれば、MS-Word については、手間はかかるが、なんとかフランス語の文字化けを解消して、日本語との両立まで持ち込める。
 この点についてより詳しくは こちらを参照していただきたい。 [1999年12月16日]

  Windows2000日本語版 では、キーボードタイプをフランス語対応にした状態で (上の1.フランス語入力の項参照)、コピーとペーストを行えば、文字化けなくフランス語の文章を Word に移すことができるようになったとのことである。[2001年11月 3日]

  WindowsXP日本語版 でも、Windows2000の場合と同様に、キーボードタイプをフランス語(あるいは英語でもよい)にした状態で、コピーとペーストを行えば、文字化けなくフランス語の文章を Word に移すことができる。[2003年 7月17日]


 WWW 上のフランス語の資料をファイルとしてまとめて扱いたい場合については、「補遺 II.フランス語とHTML」を参照していただきたい。

[ファイルとして入手したフランス語テキストを利用する場合]
 インターネット上の電子テキストサイトからftp でファイルとして入手できるフランス語電子テキストの利用について次に見よう。
 ftp で入手できるテキストのフランス語は ANSI/ISO 8859 Latin1 のコードに基づいている場合が多い。Windows95 日本語版上の日本語対応のエディタやワープロでこのファイルを開こうとする場合、エディタ (「秀丸エディタ」など) ならばフォントを欧文対応のものにしておけばアクサン付き文字も含めて正しく表示する。Windows95 日本語版に標準添付のワープロ WordPadでは、ファイルを読み込んだ段階ではアクサン付き文字が文字化けするが、「すべてを選択」してからフォントを欧文対応のものに変えれば文字化けは解消する。「Ms-Word95(97) 日本語版」ならばファイルを開く際に「ANSIテキスト」と指定すればよい (あらかじめ画面上方のメニューバーから「ツール」--> 「オプション」--> 「全般」と進み「文書を開くときにファイル形式を確認」をチェックしておく) 。ただ、このANSI/ISOのテキストを「Word文書」として保存しようとするとフリーズしたり、テキストの内容が壊れてしまったりするので注意が必要である。「rtf 形式」での保存は問題ないとのことである。


 [Windows98 日本語版の場合 (ftp)]
 Windows98 上のWordPad では、ANSI/ISO 8859-1 のコードのフランス語の文書を開いた場合の文字化けは、欧文用フォントに変更しても解消できなくなった。また、MS-Word97 やMS-Word2000 の日本語版でフランス語の文書ファイルを開く場合については、上の [Windows98 日本語版の場合 (WWW)] を参照していただきたい。つまり、フランス語の文書を開く際に、「ANSIテキスト」あるいは「西ヨーロッパ言語」と指定することになる。 [1999年12月16日]


 また、ANSI/ISOのテキストは、英文 (欧文) 専用のワープロやエディタを95日本語版上で作動させ、そこに読み込んでも正しく表示することができる。例えば、シェアウェアの "Editeur V2.3 (French version)"を用いることができる。このソフトは ftpサイト[ftp.winsite.com] のディレクトリ[/pub/pc/win95/txtutil] から入手できる。

[この項、1998年10月25日加筆]



3.電子メール/ネットニュース

 電子メールについてはメールソフトによって事情が異なる。アクサン付きフランス語のメールと日本語のメールをともに送受信するための条件を備えているのは、 Netscape2.0x 以降 (日本語版または英語版) のメール機能である。ただし日仏混交文の送受信はできない。
 Netscapeの文字コードセットを latin1 、あるいは日本語に設定することで、それぞれアクサン付きフランス語、あるいは日本語を送受信できる。例えば文字セットを日本語に設定しておいて、文字化けしたフランス語のメールが着信したら、文字セットを latin1 に切り換えて改めて表示させればよい。
 フランス語のメールの送信については、「メールとニュースの設定」メニューから「作成 Composition」に進むと、「8 ビット Allow 8 bit」と「MIME準拠(Qエンコード) Mime compliant (Quoted Printable) 」の選択となっている。ここでは「Quoted Printable」を選ぶのがよいようだ。その上で、文字セットを latin1 にし、Windows95 のフランス語入力機能を使ってフランス語のメールを作成して送信する。この場合、送信したメールのヘッダには "MIME-Version: 1.0"、"Content-Type: text/plain; charset=iso-8859-1"、"Content-Transfer-Encoding: quoted-printable" と表示され、受信側のメールソフトが対応していればアクサンも正しく伝えることができる。「8 bit 」を選択してフランス語を送った場合には、途中の経路の関係で受信側で文字化けなどが生じる可能性があるようだ。なお、日本語を送信するためには、ここは「8 bit 」を選択しておいた方がよいとの情報もあるが、筆者は日本語送信についての障害を確認していない。


 2002年秋の時点では、Windows98, WindowsXP などの日本語版上で、少なくとも Outlook Express や Becky! といったメールソフトで、アクサン付きフランス語の送受信ができることが確認されている。(2002.12.27)

 いずれにしても、アクサン付きフランス語のメールについては、受信側のOSやメールソフトも適切に設定されなければならない。相手と連絡を取って良好な結果を確認してから利用するほうがよさそうだ。それができなければ、アクサンは外して送信するほうが無難であろう。

 ネットニュースについてもソフトによって差がある。Netscapeのニュースリーダー機能を使うとアクサン付き文字も受信・表示でき、投稿もできるようだ。

[2004年 7月30日、別ファイル化]